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私の歳時記

大村敏(おおむらとし)

評価した人の総数:2人 オススメ総数:(6コ)★★★★★★
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作品紹介

「もう歳だから」は禁句! 青春期を戦争のなかで過ごし、結婚、出産、子育てと人生体験を重ねながらさまざまな時代をへて今。夫婦ふたりに戻った暮らしの中のきらめきの瞬間を楽しむ。80歳になっても、新しいことにどこまでもチャレンジしたい。前向きで、確かなまなざしが捉える日常の暮らし、家族との触れ合い、行事などへの感動を12ヶ月に閉じ込めたエッセイ集。
  • ファイルサイズ:1.5 MB
  • ファイル形式:pdf
ジャンル:
小説・エッセイ > エッセイ > 日常
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著者プロフィール

1931(昭和6)年6月24日生まれ。
東京都出身。
お茶の水女子大学理学部生物科卒業。
東京都在住。

※この情報は、初版刊行時のものです。

この作品に対する評価

評価した人の総数:2人 オススメ総数:6

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  • 2022/11/10 投稿者:からかさお化け オススメレベル:★★★

    作品をダウンロードして読んでみる(要会員登録・ログイン)。
  • むきやうさみふはなかしし―陰暦の安逸な暮らしぶり  

    2014/08/15 投稿者:JapooJr オススメレベル:★★★

    書名にある「歳時記」は、俳句の季語の解説ではなく、日本の四季折々に伴う年中行事にまつわる四方山話を指す。本作は、月の満ち欠けをもとに作られた旧暦である「陰暦」に即して一年間の生活を描写したもの。興に任せて綴ったこの手の身辺雑記風の文章をふつう随筆と呼ぶ。書き手は、本作の著者のように年配の方がほとんどといってよい。

    百頁ほどの内容を覗けば、ついひと昔前には遍在した質実な日常風景を衒うことなく作文しているだけのものだが、そこにみられる片言隻語は、我々日本人が生来持っていた「つつましさ」をありありと想起させる。昨今の時勢喧しいグローバリゼーションやらイノベーションやらに急き立てられる破天荒な生活とは無縁のつつがない暮らしぶり。

    《一日一日が平穏に過ぎていくようにと祈るばかりである》(本文「昭和の日」より)

    とただただ思いながら家族や近隣の身近な人たちと日々ささやかに生きてきた先達の平凡ながらも地に足のついた生活模様を「何ら面白味がなくて退屈…」などと嗤うことが誰にできようか。無論誰しも現代の荒波に抗しえず、そうした「ただの暮らし」は、もはや白昼夢をみるばかり。眼前に広がるのは、無表情で奇天烈さを競い合う光景だ。

    否、いまも普通の生活は相変わらず営まれているが、さまざまな便益の享受と引き換えに柱の芯がひどくひび割れてきているのを見て見ぬふりをしているといったところか。カタストロフが胚胎している予兆をひしひしと感じながら…。それでも、シビアな現実はそんな概嘆や感傷を冷徹に排するだけである。朽ちゆく、「生活の柄」(山之口 貘)。

    《海に囲まれた日本は、海がいつまでも美しく、汚染されないように、その責任も負わなければいけないのだと思う》(本文「海の日」より)

    との言葉は存外重たく響く。今日は8月15日。はや、戦後69年目となる。本作中には戦争に関する直截な記述は一切ないが、著者の年齢からすると恐らくひとしお身に沁みる季節に違いない。私の勝手な想像ながら、本文の静謐な印象の陰に現下に対する「憤懣やるかたなし」との強い思いが潜んでいるのではないか。「ただの暮らし」を駆逐するなと。

    《真面目に生きている人たちが報われる世の中であってほしい》と著者は「あとがき」で訴えるが、著者のこの切なる希いとそれが含意するものは、過去を一掃するかのように新奇さを騙り、金品に跪く輩の塞がれた両耳には決して届かないだろう。そうなると、いずれ「戦記物」のように特異な体験を刻印した貴重な備忘録と化すかもしれない。

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