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絵と文:河原順子(かわはらじゅんこ)

評価した人の総数:1人 オススメ総数:(3コ)★★★
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作品紹介

詩歌が取り持つ縁で人魚を妻にした老人は、盲目になった娘の靴を買いに街まで出かけるが、途中で兵士に捕えられ、投獄されてしまう。そこは、細菌兵器開発のために人体実験を行う七三一部隊の牢獄だった。老人は絶望するが、人間らしく振舞おうとする一人の若い看守がいた。人間と人魚のロマンス、そして戦争の狂気と人種の壁を越えた心のつながりを描いた絵本。
  • ファイルサイズ:4.0 MB
  • ファイル形式:pdf
ジャンル:
童話・絵本・漫画・画集・写真集 > 童話・絵本・漫画 > その他
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著者プロフィール

大正13年、東京都生まれ。
昭和17年3月、東京府立第十高等女学校卒業。
昭和19年3月、クララ洋裁学院卒業。
昭和20年4月、大連ロシア学校に日本語教師として就職。
昭和20年8月、終戦のため同校閉校。
昭和22年3月、引き揚げ。
昭和22年4月、実姉の経営する目白洋裁学園に就職する。
昭和25年11月、結婚のため同園退職。
昭和25年12月、結婚。一男一女の母となる。
昭和49年4月、目白洋裁学園再就職。
昭和55年3月、同園退職。
平成9年1月、絵本と童話の会入会。
自分の絵と文による世界でたった1冊の本を作る。
以来、絵本コンクール入選作品や選者による特別讃辞の作品を含め、計20冊作成。

※この情報は、初版刊行時のものです。

この作品に対する評価

評価した人の総数:1人 オススメ総数:3

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  • 百聞は一見に如かず ~Open the window

    2014/09/11 投稿者:JapooJr オススメレベル:★★★

    鉄条網に囲まれ、鉄格子で覆われた窓のある牢が佇む軍事施設が冒頭からでてくるし、題材が題材なだけに否が応でも寓意や教訓めいたものを嗅ぎ付けざるをえないだろう。

    著者自身の体験が色濃く反映されたと思しき作品を「絵本」に結晶させた動機の中には当然ながら強い憤りがあるに違いない。つまり、「反戦」というテーマが伏在している。

    細菌研究から人体実験へと足を踏み外したとされる「七三一部隊」の暗躍を実際に目撃した著者ゆえに、非道な行為を決して許すまいという固い決意が作品全体に迸っている。

    だが一方で、戦争という残酷で悲惨な極限状況の下であっても、人間は「人間らしさ」を軽々に手放さないものだという主題をファンタジックなロマンスのうちに見出せる。

    「人間らしさ」にも動かされぬようになったとすれば、
    人生は到底住するに堪えない精神病院に変りそうである。
    (芥川龍之介「侏儒の言葉」より)

    それは、ヒューマニズムを高らかに謳歌するのに乗じて「反戦」を陰に標榜したもの、というわけでもない。むしろ、善悪を超えたところの「心の平和」を希求している。

    物語はアンデルセンの童話「人魚姫」から一部着想を得ていても、悲恋で終わらさずに
    「幸福な結末happy ending」としているのは、批難以上に贖罪意識の表れともいえる。

    また、詩作を通じて人魚との邂逅を演出してみせているのも、言葉という文化の根幹において平静な「人間らしさ」(=「心の平和」)が賦活されるという信念ゆえではないか。

    E・H・カーの至言「歴史は現在と過去の対話である」(『歴史とは何か』)を今さら引くまでもないが、著者は本作を通じて自身の中の「歴史」を凝視しようとしているのだ。

    我我人間の特色は神の決して犯さない過失を犯すと云うことである。
    (芥川龍之介「侏儒の言葉」より)

    然して、大きく開けた「窓」は、健全な「精神mentality」を宿すヨスガとなりうる。

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