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夢の家ノート

長阪ルツ(ながさかるつ)

評価した人の総数:2人 オススメ総数:(6コ)★★★★★★
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作品紹介

家主を失った古い家を訪れる女性・ルツが、家族の思い出を少しずつ紐解いていく物語。全体を覆う喪失感、心寂しさが特徴。淡々とした筆致で紡がれていくドラマの中に家族の絆とは何かを改めて考えさせる。両親を父と母でなくあえて、「カズオ氏」「夫人」と表記し、カズオ氏夫婦とルツの物語として再構成する視点が新鮮で、作者の文学的センスが光る。
  • ファイルサイズ:1.3 MB
  • ファイル形式:pdf
ジャンル:
小説・エッセイ > 小説 > その他
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著者プロフィール

1941年生まれ
静岡県在住

※この情報は、初版刊行時のものです。

この作品に対する評価

評価した人の総数:2人 オススメ総数:6

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  • 2019/02/24 投稿者:下立山 オススメレベル:★★★

    作品をダウンロードして読んでみる(要会員登録・ログイン)。
  • 自省の念に駆られる ~<家>をめぐる「喪失と再生」のモノガタリ

    2014/11/17 投稿者:JapooJr オススメレベル:★★★

    主人公ルツは、かつて暮らした市街地の小高い丘にある実家を訪ねる。
    両親もすでに他界し、誰も住んでいない其処はひっそりと佇んでいる。
    家の中で想い出の品々を眺めながら、過去の出来事に思いを馳せる――

    壮年を過ぎると、自分自身の老いや病の問題が浮上してきますが、それと同時に否応なく
    直面する肉親との死別等々、日ごろ馴れ親しんだ対象を失う機会が増えます。その悲しみ
    にどう耐え得るか。「喪失と再生」―これは、人間の「生」に課せられた永遠のテーマです。

    万葉歌人・大伴旅人も
    <世の中は空しきものと知る時し いよよますます悲しかりけり>
    と逸早く詠っています。

    そうした誰もが経験する現実が、「家主をなくした家屋」を軸に三人称的な語り口で淡々と
    読み手に差し出されているのが本作の特徴といえます。そして、「喪失」の痛みとともに徐々
    に寂寥感を醸しながら語られていくにつれ、よりリアルな哀しみが込み上げてくるのです。

    それが人間にとって「再生」へとつながる大いなる一本道であることもまた知るでしょう。

    《旅を続けるルツは、今度は自分のための新しい世界に向かって、
    また元気良く歩いていこうと思った。》

    この家の状況を書き連ねてきた「ノート」が使命を終えたところで、
    ルツを取り巻く人生の不安定で不確実な先行きが払拭されるわけで
    もなく、最後に全ては「無」になるのかもしれないわけですけれど、
    庭の樹木、草花から家の中の家具、食器、棚に納められた本の数々、
    主の描いた夥しい絵、はたまた想い出のアルバム写真に至るまで…
    具象物であるそれらのモノが記憶の海の中で生き生きとしたコトへ
    と甦るとき、まさに<精神>が解き放たれる瞬間がやってきます。

    となれば、己の<宿命>をあらためて反芻する様を第三者が傍観者的に
    昔語りの単なるノスタルジーだなどと斬って捨てるわけにはいきません。

    …そんなことをツラツラ考えさせられた、「静かな一篇」となりました。

    ――生気を失った空き家の、ストーブの火で暖まった部屋(仙洞御所)で
    不在のカズオ氏と、彼が愛好した絵画の話をするルツの心中は如何に。

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