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谷間のささやき

森静子(もりせいこ)

評価した人の総数:1人 オススメ総数:(4コ)★★★★
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作品紹介

愛する人を突然亡くし、生きることに疲れ、絶望したとき、森の中ふと見上げた枝に、かわいらしい小鳥の姿があった。心地よいさえずりと、くるくると愛らしく動く小鳥が、絶望の淵からすくい上げてくれた……。森の中に生きる小鳥と、心地よく吹く風と、風にそよぐ木々に癒され、自身の心の中の暗い森が次第に消えていく──。自然とともに生きることの素晴らしさ、生命のもろさや尊さを綴った詩集。
  • ファイルサイズ:1.5 MB
  • ファイル形式:pdf
ジャンル:
詩集・俳句・短歌 > 詩集 > 自己
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著者プロフィール

1943年生まれ
山口県山口市在住


本書は2004年10月に新風舎より刊行された単行本に加筆・修正を加えたものです。

※この情報は、初版刊行時のものです。

この作品に対する評価

評価した人の総数:1人 オススメ総数:4

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  • 身近な自然を詠う

    2014/05/26 投稿者:JapooJr オススメレベル:★★★★

    自然の厳しさと優しさに対する思いを率直に綴った詩集です。

    著者は、畏敬の念を抱く自然に向かいながら、少し距離をとり、
    (内なる自然である)自分の心を研ぎ澄まそうと努めています。
    四季折々の、季節の変わり目をよく観察し、耳をそばだてます。

    そのようにして、恐らく著者は、生活の中で自然と対峙していくうちに、
    いつしか悲しみが哀しみに移り変っていくのを感じるようになったのでは
    ないでしょうか。すなわち自然と共生する生命体としての人間そのものを
    見つめ直すことで、自分自身が<再生>していくのを直観したはずです。

    幾篇もの詩を目の当たりにしながら、それは文明化された現代社会に埋もれる
    わたしたちの「自己治癒」をも促すことにつながるだろう、そう思いました。

    ツグミやウグイス、フクロウなどの野鳥は美しい鳴き声を気ままに響かせます。
    その様は、ルネサンス期のシャンソン、「鳥の歌」(クレマン・ジャヌカン)を
    どこか彷彿とさせます。ちょっとユーモラスで、涼しげな小鳥の<歌>たちは、
    わたしたちの気忙しい生活を優雅でのどかな気分にさせてくれるようですね。

    とはいうものの、自然はそんなわたしたちの思惑などお構いなしに
    ただありのままの姿を冷徹にさらし続けるだけなのかもしれません。

    さて、人間にとって、深遠なる「時の重さ」とは一体何でしょうか。
    そんな哲学的なことも考えさせるような、とても素敵な詩集です。

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