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草思社・文芸社W出版賞 受賞作品公開特設ページ

2018/07/17(火)

文芸社創立20周年を記念し、2016年に産声をあげた《草思社・文芸社W(ダブル)出版賞》。入賞作品のいくつかは、なんと! みんなの本町にて無料で全文公開されます。優れた入賞作品が無料で読めちゃう大盤振舞!《草思社・文芸社W(ダブル)出版賞》に応募しようと考えている方は必読ですよ!

第5回草思社・文芸社W出版賞

堀辰雄のキリスト教 ~二人の多恵子と聖テレジア~

文芸社銀賞 受賞作品
長尾晃・著
ジャンル:評伝・宗教・闘病
File Size:4.6 MB
原稿データ→PDF化作品

二人の多恵子とは、作家・堀辰雄(1904~53)の夫人で、敬虔なクリスチャンであった堀多恵子(1913~2010)と、もう一人は、堀辰雄の熱心な愛読者で、書簡を通じて作家夫妻と親交を結んでいた、こちらも敬虔なクリスチャンであった久津多恵子(1924~51)である。
あるとき堀多恵子は、久津多恵子宛ての書簡として、キリスト教的色彩にあふれた随想「童話風な手紙」を文芸誌に寄稿したのであったが、その刊行直前、久津多恵子は「手紙」を読むことなく、聖テレジア七里ガ浜療養所にて、結核によってこの世を去ってしまう。享年27歳。
それから四年後、久津多恵子の遺稿集『いのち守る日日』が刊行され、その巻頭には堀辰雄による追悼文が掲載されたのであったが、このときすでに堀辰雄自身も、結核によって帰らぬ人となっていたのである……
久津多恵子は、堀辰雄の愛読者であるとともに、聖テレジア(1873~97)の教えに順じて生きた敬虔なカトリック信者でもあったのだが、この二人が示していた指針(聖テレジアの「小さき花」と堀辰雄の「小さき絵(Idyll=イディル)」)の同質性を浮きぼりにすることで、両者の存在を心の糧として生きていた久津多恵子の精神的メカニズムを解き明かしてゆく。
さらに、堀辰雄の代表作『風立ちぬ』におけるクリスチャン加藤多恵(後の堀多恵子)の重要な役割を解読するとともに、聖テレジアの教えに傾倒もしくは不可思議な関わりを結んでいた、「四季派」を中心とする野村英夫、立原道造、遠藤周作、井上洋治、木崎さと子、女子パウロ会のシスターらによる、いわば霊的な“聖テレジア・サークル”を可視化してゆく。

【著者略歴】
歴史文化研究家・建築家。1965年長野県生まれ。
東京藝術大学大学院美術研究科(建築専攻)修士課程修了。著書に『善光寺と諏訪大社――神仏習合の時空間』『千少庵茶室大図解――利休・織部・遠州好みの真相とは?』『神秘なる乙女の画家の物語――信州松代藩・恩田緑蔭アンソロジー』等があり、建築作品としては「篠ノ井福音自由教会礼拝堂」「象山神社収蔵庫・客殿」「北鎌倉山崎の家」等がある。

第3回草思社・文芸社W出版賞

西の魔女

文芸社銀賞 受賞作品
トト・著
ジャンル:ファンタジー
File Size:3.4 MB
原稿データ→PDF化作品

第3回草思社・文芸社W出版賞の文芸社銀賞受賞作。
現実に溶け込めず、空想の世界に逃げ込んでばかりいる皐月は、夜ごと自分が作った「お話」を、心臓の悪い弟に聴かせていた。
そんなある日、クラスメートのヒカル君に誘われて西の町へ「魔女」を探す冒険に出ることに。
しかしそこで待っていたのは……。
10歳の少年少女が繰り広げるピュアな冒険ファンタジー。誰もが心の中に持っていた「何か」を信じられていた日の記憶を呼び起こす一作。
あなたは皐月に「忘れないよ」と言ってあげられますか?

【著者略歴】
北国生まれ、北国育ち。小さい頃から本が友達。
小説を書いてみたら、入賞したのでびっくりしている。オーストラリアのビクトリア州立図書館に住むのが夢。

マトモスコープ

文芸社銀賞 受賞作品
だるまもり・著
ジャンル:絵本
File Size:4.2 MB
原稿データ→PDF化作品

第3回草思社・文芸社 W出版賞の文芸社銀賞受賞作。
ムシーノサーカスの団員であるオイコラ、ドッコラ、ヨッコラ、チョッコラの4兄弟が、客である子どもたちに不思議な「マトモスコープ」を通してファンタジックなサーカスを見せる物語。

【著者略歴】
美術家・舞台作家・楽器作家・絵本作家・音楽家・ARTパフォーマー / ARTユニット『総合工作芸術家 だるま森+えりこ』として活動 / 全国専門人形劇協議会加盟プロ人形劇団 / インターネットラジオ神戸長田エフエムわぃわぃ / 『だるま森+えりこのデモクラティック・フワラーズ』パーソナリティー
現展入賞 現代童画展新人賞 第1回くれよんはうす絵本大賞準大賞 / コネチカット州ハーフォード美術館ソル・ルイット・コレクション所蔵 / 日本人形劇大賞銀賞 第7回食農教育紙芝居コンクール佳作 / クレヨンハウス40周年絵本大賞 佳作 / 第7回新しい創作絵本大賞佳作 CCC AWARDS入選 / 神戸長田文化特別賞 / 今作「マトモスコープ」は第9回武井武雄記念日本童画大賞 / (イルフビエンナーレ)審査員特別賞 / 2017年兵庫県立円山川公苑美術館個展
https://www.facebook.com/dalmamori/
mail:dalmamori@gmail.com

第2回草思社・文芸社W出版賞

砂の星の月

文芸社銀賞 受賞作品
天宮 音音(あまみや おとね)・著
ジャンル:SF
File Size:8.5 MB
原稿データ→PDF化作品

自然が完全に失われ砂漠化した地球。いくつか点在する都市は超AI社会へと変貌し、そこ住まう地球人は月への移住者らの支配によって辛うじて生かされている。そんな仮死状態ともいえる惑星を舞台に、天才学者カルロ、反政府活動家の妹マリン、遺跡泥棒ルーベンの3人が、未来の「答え」を求めて冒険を重ねる近未来SF小説。高度AI社会が見せるさまざまな技術革新、原子力エンジン搭載の空を飛ぶバイク、月の住民が生み出したおぞましい食糧創出システムと恐怖の生物、生身の人間vsアンドロイド、月への小旅行……。物語を彩るSF的要素も満載のスリリングなエンターテインメントが、読者を一気にラストまで連れてゆく!

【著者略歴】
愛媛県生まれ。子供の頃から身体が弱く、苦痛を紛らわせてくれるような漫画や本ばかり読んでいた。二十代に入り、純文学に傾倒。“読む側”であった期間を経て、今度は自分が誰かを楽しませられないかと一念発起し、執筆活動を開始。自身と同じく病気や、その他の現状に苦しんでいる人たちの心に響く、優しく、力強く、心が高鳴る作品を目指している。趣味は健康面に配慮した料理やお菓子を作ること。

沈黙の大地 伝説となったケニア狩猟民

草思社金賞 受賞作品
田島 健二(たじま けんじ)・著
ジャンル:紀行(海外)
File Size:2.6 MB
原稿データ→PDF化作品

1973年に単身アフリカに渡り、およそ8年間ケニアで過ごした著者が描く狩猟民族と野生動物の真の姿。彼らは「人間」と「動物」という相対する立場にありながら、押し寄せるヨーロッパ的価値観のグローバル化の波に、ともに押し黙ったまま呑み込まれてゆく。ヨーロッパ人がアフリカにもち込んだ動物保護政策は、希少動物の手厚い保護を建て前に狩猟民族を非難し、彼らの手からもっとも遠い場所にライオン、ゾウ、サイ、カバといった動物たちを囲い込んだ。にもかかわらずヨーロッパやアメリカからはるばるやってきては、“スポーツ”と称して野生動物をかっこうのターゲットにゲーム・ハンティングを行う。本作は、アフリカが辿った近代化の変遷を描くいっぽうで、いまなお形を変え残存する植民地的思想の不条理を描いた真のノンフィクションである。

【著者略歴】
1950年生まれ。熊本県出身。1973~2013年、サファリ業務(日本人観光客がアフリカでサファリをするための、宿や車、現地ガイド等の手配)に従事。そのうち、1973年2月~1981年3月まではケニアのナイロビに滞在する。

山羊の檻

文芸社銀賞 受賞作品
柳永 千哲(やなが ちさと)・著
ジャンル:サスペンス
File Size:2.0 MB
原稿データ→PDF化作品

清麗女子高校(清女)2年の美好由佳が惨殺死体で発見された。4か月前にも同校生徒の列車への飛び込み自殺が起きており、清女は臨床心理士・志度朝陽を配備する。赴任とともに由佳と付き合いのあった関係者との面談を進める朝陽。そうして浮かびあがってきたのは、由佳の孤独と痛みにまみれた過去。実母のネグレクト、祖母の疎外、継父の性虐待と拒絶。そしてついに朝陽は、由佳の死に隠された暗部に触れることに――。現代社会に巣食う「人間の闇」の一端を、緞帳の隙間から覗き見るような一作。その様を見た者の心は疼痛に苛まれる。

【著者略歴】
1974年埼玉県生まれ。1995年東京農業大学短期大学部栄養学科卒業。二児の母親で、下の子供が小学校高学年になったのを機に、2015年より主婦業と並行して小説を書き始める。ペンネームはアメリカのロックバンド『マリリン・マンソン』のメンバー達と同様の趣向でつけられた。

第1回草思社・文芸社W出版賞

操縦の神業を追って

文芸社銀賞 受賞作品
加藤寛一郎・著
ジャンル:自然・科学・工業・学術
File Size:7.7 MB
原稿データ→PDF化作品

航空宇宙工学の泰斗、加藤寛一郎による航空機とその操縦士の卓越した技術進歩に迫る本作は、我が国が誇る旧海軍のレジェンド坂井三郎氏、その坂井氏をして「雲の上の人」と称さるるアメリカのジミー・ドゥリットル氏、さらには人類で初めて音速の壁を破ったチャック・イエーガー氏の物語など、近代軍用航空機世界の発展の歴史を網羅し優れた航空史として楽しむことができる。

【著者略歴】
1935年、東京都に生まれる。1960年、東京大学工学部航空学科卒業、川崎重工入社。アメリカ・ボーイング社を経て、1971年、東京大学航空学科助教授。1979年、同学科教授。1996年、同大学名誉教授。1996-2001年、日本学術振興会理事。2004-2010年、防衛省技術研究本部技術顧問。1973年、工学博士。2015年4月から東京新聞に、月1回、コラム「新聞から学んだこと」を執筆中。
(Wikipedia「加藤寛一郎」-外部サイト)

ミネラル

文芸社銀賞 受賞作品
守田向志・著
ジャンル:ミステリー
File Size:4.9 MB
原稿データ→PDF化作品

自殺で妻を亡くした男が、生前の妻の間男と同棲しながら、妻の死の真相を探るミステリータッチのユーモア小説。そうしたキャッチーな枠組みをとりながらも、そこかしこに社会問題への啓発を促すトピックスが織り込まれ、400字詰原稿用紙にして600枚をゆうに超える重厚な一作としてまとめられた本作は、日本の行く末を強力に照らすビームライトのようでもある。

【著者略歴】
1981年福岡県生まれ。2004年東京大学経済学部卒業。大学卒業後より小説を書き始める。2009年に「欲望チャッター」で第9回「講談社Birth」小説部門を受賞してデビュー。2016年に「もし国会議員100人の日本だったら」を電子書籍にて発表。

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