文芸社創立20周年を記念し、2016年に産声をあげた《草思社・文芸社W(ダブル)出版賞》。入賞作品のいくつかは、なんと! みんなの本町にて無料で全文公開されます。優れた入賞作品が無料で読めちゃう大盤振舞!《草思社・文芸社W(ダブル)出版賞》に応募しようと考えている方は必読ですよ!
第3回草思社・文芸社W出版賞
西の魔女

File Size:3.4 MB
原稿データ→PDF化作品
第3回草思社・文芸社W出版賞の文芸社銀賞受賞作。
現実に溶け込めず、空想の世界に逃げ込んでばかりいる皐月は、夜ごと自分が作った「お話」を、心臓の悪い弟に聴かせていた。
そんなある日、クラスメートのヒカル君に誘われて西の町へ「魔女」を探す冒険に出ることに。
しかしそこで待っていたのは……。
10歳の少年少女が繰り広げるピュアな冒険ファンタジー。誰もが心の中に持っていた「何か」を信じられていた日の記憶を呼び起こす一作。
あなたは皐月に「忘れないよ」と言ってあげられますか?
マトモスコープ

File Size:4.2 MB
原稿データ→PDF化作品
第3回草思社・文芸社 W出版賞の文芸社銀賞受賞作。
ムシーノサーカスの団員であるオイコラ、ドッコラ、ヨッコラ、チョッコラの4兄弟が、客である子どもたちに不思議な「マトモスコープ」を通してファンタジックなサーカスを見せる物語。
第2回草思社・文芸社W出版賞
砂の星の月

File Size:8.5 MB
原稿データ→PDF化作品
自然が完全に失われ砂漠化した地球。いくつか点在する都市は超AI社会へと変貌し、そこ住まう地球人は月への移住者らの支配によって辛うじて生かされている。そんな仮死状態ともいえる惑星を舞台に、天才学者カルロ、反政府活動家の妹マリン、遺跡泥棒ルーベンの3人が、未来の「答え」を求めて冒険を重ねる近未来SF小説。高度AI社会が見せるさまざまな技術革新、原子力エンジン搭載の空を飛ぶバイク、月の住民が生み出したおぞましい食糧創出システムと恐怖の生物、生身の人間vsアンドロイド、月への小旅行……。物語を彩るSF的要素も満載のスリリングなエンターテインメントが、読者を一気にラストまで連れてゆく!
沈黙の大地 伝説となったケニア狩猟民

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原稿データ→PDF化作品
1973年に単身アフリカに渡り、およそ8年間ケニアで過ごした著者が描く狩猟民族と野生動物の真の姿。彼らは「人間」と「動物」という相対する立場にありながら、押し寄せるヨーロッパ的価値観のグローバル化の波に、ともに押し黙ったまま呑み込まれてゆく。ヨーロッパ人がアフリカにもち込んだ動物保護政策は、希少動物の手厚い保護を建て前に狩猟民族を非難し、彼らの手からもっとも遠い場所にライオン、ゾウ、サイ、カバといった動物たちを囲い込んだ。にもかかわらずヨーロッパやアメリカからはるばるやってきては、“スポーツ”と称して野生動物をかっこうのターゲットにゲーム・ハンティングを行う。本作は、アフリカが辿った近代化の変遷を描くいっぽうで、いまなお形を変え残存する植民地的思想の不条理を描いた真のノンフィクションである。
山羊の檻

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原稿データ→PDF化作品
清麗女子高校(清女)2年の美好由佳が惨殺死体で発見された。4か月前にも同校生徒の列車への飛び込み自殺が起きており、清女は臨床心理士・志度朝陽を配備する。赴任とともに由佳と付き合いのあった関係者との面談を進める朝陽。そうして浮かびあがってきたのは、由佳の孤独と痛みにまみれた過去。実母のネグレクト、祖母の疎外、継父の性虐待と拒絶。そしてついに朝陽は、由佳の死に隠された暗部に触れることに――。現代社会に巣食う「人間の闇」の一端を、緞帳の隙間から覗き見るような一作。その様を見た者の心は疼痛に苛まれる。
第1回草思社・文芸社W出版賞
操縦の神業を追って

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原稿データ→PDF化作品
航空宇宙工学の泰斗、加藤寛一郎による航空機とその操縦士の卓越した技術進歩に迫る本作は、我が国が誇る旧海軍のレジェンド坂井三郎氏、その坂井氏をして「雲の上の人」と称さるるアメリカのジミー・ドゥリットル氏、さらには人類で初めて音速の壁を破ったチャック・イエーガー氏の物語など、近代軍用航空機世界の発展の歴史を網羅し優れた航空史として楽しむことができる。
ミネラル

File Size:4.9 MB
原稿データ→PDF化作品
自殺で妻を亡くした男が、生前の妻の間男と同棲しながら、妻の死の真相を探るミステリータッチのユーモア小説。そうしたキャッチーな枠組みをとりながらも、そこかしこに社会問題への啓発を促すトピックスが織り込まれ、400字詰原稿用紙にして600枚をゆうに超える重厚な一作としてまとめられた本作は、日本の行く末を強力に照らすビームライトのようでもある。