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『緊急提言!医師不足をなくすために』公式レビュー / 第2回

2014/10/25(土)

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A:ねぇねぇ、医師不足が深刻化してるっていうけど、本当なの?

B:どうやら、事実のようだ。【その対策として、】国立大学の医学部医学科は軒並み増員しているようだし、東日本大震災以降の東北の医療の状況を鑑み、政府は東北地方の大学1校に限って医学部新設を認可したね。でも、医師不足は東北に限ったことじゃない。やはり抜本的な解決のためには、現行の医師臨床研修制度が大改正される必要があるだろうね

A:何それ? イシリンショー……

B:医師臨床研修医制度! 君は何にも知らないんだな。今すぐ、みんなの本町にアクセスして『緊急提言! 医師不足をなくすために』を読んでみなさい

A:後で必ず読むから、取り敢えず、医師臨床研修医制度について簡単に教えて

B:しょうがないなあ……これは今紹介した本の受け売りだけど、戦後GHQの政策によって米国をモデルにしたインターン制度が日本に導入された。結果、医学部を卒業した学生は1年間の実習を終えなければ医師国家試験の受験資格が得られなくなった。この制度だとインターンのあいだ卒業生は学生でもなければ医者でもないという宙ぶらりんな立場に置かれてしまうことになる。他の学生より余計に勉強したのに、さらに1年間は社会的身分がはっきりしませんなんて、たまったもんじゃないだろう? 実質、学生たちの卒業を遅らせているようなものだ

A:僕も大学卒業してプータローだったときはきつかったな……(遠い目)

B:君の過去なんかどうでもいいの。つまり、“存在が意識を規定する”ってことさ

A:カール・マルクス!

B:おや、詳しいじゃないか。ひょっとして君がプータローだった原因は、おかしな思想にかぶれたからか? まあいいや。とにかく、米国流のインターン制度は学生にすこぶる評判が悪く、ついに医師国家試験のボイコット騒ぎにまで発展しちゃった。それで昭和43年に医師法が改正され、卒業と同時に国家試験が受験できるようになったんだ

A:ということは、医学部を卒業して試験に合格すれば、インターバルなしに医者として活躍できるってことだよね。医師不足なんて起こりようがないじゃない?

B:まあ、話は最後まで聞きなさいよ。確かに卒業と同時に医師としての身分は確保できるようになった。でも待遇面では問題が残ったんだ。だから厚生労働省は、それまでの努力目標だった研修期間を2年間の必修にし、月額30万円の給与を保障する新しい臨床研修医制度を2004年にスタートさせた

A:医者は使い捨てじゃないからね。厚生労働省も良いとこあるじゃない?

B:本当にそうかな? よく考えてみなよ。研修期間、医者の卵たちは様々な科をたらいまわしにされる。経験を積むっていう名目で。でも、所詮はお客さん。研修が終わればハイサヨウナラなんてことになれば、真面目に指導するだけバカらしいってことになりはしない? しかも、研修医は臨床研修に専念しなければならないから、2年間は即戦力として期待できない

A:なるほど、今の制度だと、卒業を2年間、先延ばしにしているのと何ら変わらないってことか。えっ、でも、それって……

B:鈍い君でもさすがに気づいたようだね。現行の臨床研修医制度は、GHQのインターン制度をちょこちょこっといじっただけのシロモノなのさ。『緊急提言! 医師不足をなくすために』を書いた竹村氏は、そのことをよく分かっているから、必死に警鐘を鳴らしてきたんだけど、戦後すぐにGHQが行った医療制度改革の実態について詳しい人間が少なくなっちゃってて、なかなか若い人たちの理解が得られないようなんだ。だから、問題の根っこから考察したこの本を世に問うたってわけ

A:そんな大切なことが書いてある本が、みんなの本町だとタダで読めちゃうんだ

B:しかも、医師だけじゃなく、看護師不足の原因にまで言及してあって、わが国の医療の問題点が様々な観点から浮き彫りにされた本当に有益な本なんだよ

A:わかった。これからすぐに、みんなの本町にアクセスするよ

(written by 海老兄弟)


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